渋谷駅の風景
近代建築の講義の中で必ず聞くことがある。「渋谷ってどんなイメージがありますか。新宿は?池袋は?」と街のイメージを質問する。「君達はプロの建築屋さんになるんだから、その街のイメージができる建築の名前ぐらい、いえなくてどうする」などとプレッシャーもかけて質問を続ける。
大体は、「新宿」「池袋」は建物のイメージが薄い。意外と西新宿の高層ビルをあげる人は少ない。「新宿は歌舞伎町です」と答えるが多い。しかしやはりハッキリしない。池袋にいたってはサンシャイン60という答えは出てこない。
渋谷はしっかりとしたイメージがある。「まる・きゅう」と例の語尾上げ半疑問文で解答してくれる。
「まる・きゅう、なんだい?それ」とわざときいてみる。「いち・まる・きゅうの銀色の建物」と言う。「109には、ちゃんと意味があるだけど分かる人」というと解答は皆無だ。「109」はなんですかと黒板にいてみる。解答がない。
「10・9」と書いてもだめ。「十・九」でもだめだ。「とう・きゅう、ですよ」「東急」というとやっと気が付く。

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設計者は、竹山実先生の1978年の作品である。代表作には、晴海の客船ターミナルがある。

都市のイメージは記号として認識されている。しかし、イメージの薄い街がふえている。
昔は、街に1つぐらいはあったものだ。大きなけやきの木・郵便局・小さな石橋、なんかあったはずだ。