山の手線の駅
通勤途中で何気なく見る風景に気になるものは,誰にでもあると思います。ある物が突然なくなったり、付け加わったりするだけで、「妙に気になるもの」です。特に通勤・通学に利用する駅が変化すると、どこか新鮮な気分になると思います。私の場合、数年前、目黒駅が大変革したときには、「一体全体どうなっているんだ」と思い。また、「前の駅の方がコンパクトで使いやすかったのに」と思いました。

 唐突ですがJR「原宿駅」が気になり始めました。何十年とこの駅の前を通っています。下から見上げると、木造教会風で、ハーフティンバーの建築は美しくもあり、「原宿の駅っていいんじゃない」と思えるぐらい良い建築だと思いえます。

123 234

899 345 8900

 形の特徴から考えると、バロック形式でチェコ、ルーマニア周辺の木造建築をベースにしたような感じがします。線路側からライトアップしたら重厚な感じが際立ってくると思います。


6779 901

ホームから見るとモンサンミッシェルみたいな??

 そこで、私が興味を抱いたのは、「山手線で木造の駅とは不可解?」「古いみたいだが何時頃のもの?」と疑問が沸き起こりました。
 
 調べると結構面白いことが分かりました。原宿の駅は、山の手線の駅では一番古い「木造駅」で1924年の竣工、設計者は長谷川馨 氏で当時、鉄道局の技官の方の設計であると伺いました。また、この建築に使用された木材は、関東大震災の支援物資として1923年にアメリカから送られたものだということです。つまり、大正建築の一級品が何気なく見られるわけです。内部にはアールデコ(ゼセッション)調のステンドグラスの窓があり大正ロマンの香りがします。またこの時代に、原宿の表参道ヒルズの建つ前にあった「同潤会のアパート」も建築されたはずですから、大正時代から「表参道は時代の最先端を行く町並み」だったのでしょう。「街には歴史があり、街には歴史的文脈が存在する」
 この、「あじのある木造建築」は都内でも、そう出会えるものではありません。長谷川馨という人は、おそらくアントニオ・レイモンドと関係あったのでは?と思います。(ハーフティンバーであるからイギリスの古民家に類似しているというよりは、中欧の木造教会という香りがします。特に正面の楕円形の形が印象的です。そのため後世になって付けられた丸い時計はわざと味気ないものを選んで簡素なイメージに整たのだと思います。)
街を歩くことは「建築の勉強をするための最高の教材」となります。

987

 また、それ以前に建っていた原宿駅の駅舎は、現在は中央線の日野駅となって再利用されています。こちらの方は本当に日本の田園風の建築物です。