●日本のマンガは世界に誇れる文化の一つになっていることに、異論を挟む人はいないと思う。

●かくいう私は、マンガを速読できるという特技を持っている。職業柄、学生から旬のマンガを教えてもらい、加えて貸してもらえるという恩恵にたま(!)に預かる。今回は 『ヘぅげもの』 である。

●建築史の天守閣と城の講義で、学生から 『へぅげもの』 のマンガの話が出た。2010年の手塚治マンガ大賞を受賞したのは知っていたが、絵的にはどうもという感じがしたマンガであった。そして、つい、うっかり、日曜日夜のBSプレミアムで再放送された第1回をたまたま見てしまった。

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http://www9.nhk.or.jp/anime/hyouge/ (NHKアニメワールドより)

●安土城の天守閣で、上半身裸、それも刀傷だらけの背中に両耳ピアスの信長が安土の町を見下ろすという、何とも度肝を抜く設定になっている。ここでにくいのが、歴史的考証がかなりできていること。フィクションを売り物にし、虚実ない交ぜに、手を抜かずにすさまじいまでの描きこみをしている。切り口が鮮やかというか、ここまで大胆にフィクションで設定されると、その展開に興味も持てる。

●実は、全巻借りて、やっと1巻読み終えたところである。学生から 『ガラスの仮面』 を貸してもらったときは、速読であっというまに読み終えることができたが、 『へうげもの』 はそうはいかない。作者の山田芳裕が仕掛けた「もの」へのこだわりが、速読を許さないのである。忙しいので、テレビを優先させているが、それにしても、信長が黒く塗った安土城を光秀が白く塗り替えるという設定にいたっては、よくぞここまでハッタリを書ける著者に脱帽。

●また、番組の最後に「何でも鑑定団」の中島誠之助が今利休よろしく、茶の名品の解説をするというおいしい番組である。お勧めである。

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http://hyouge.exblog.jp/ (へぅげもの Official blog)