◆“現場監督”はもちろん技術者でもあるのですが、その仕事の中には管理者(あるいは経営者)としての側面も持っています(例えば請負金額が10億円で工期が1年間の建物を取り仕切る現場監督は、売上高が年間10億円の企業の社長と同じということ)。
◆従って、現場監督を目指す建築監督科のカリキュラムでも、法律やマネジメント関係の授業も数多く盛り込まれています。今日はその中から、法律の勉強について取り上げてみましょう。

◆建築を取り巻く法律は多岐にわたりますが、その代表格としては、建築物の構造安全性・耐久性や、高さなどの形状といった物理的な基準を規定している「建築基準法」や、都市と建築物の関わりを規定している「都市計画法」、そして建築物を設計する場合に必要となる免許制度について規定している「建築士法」などがあげられます(そのほかにも民法や宅地建物取引業法なども関係します)。
◆これらの科目は建築を勉強する上で基本となる知識となりますから、1年次、2年次のうちから徹底して勉強します(もちろん大変な勉強ですが、建築の仕事とは人の生命と財産を取り扱う仕事なのだから当然知っておかなければなりません)。
◆このような法律を勉強する場合に気を付けなければならないことは、まずはその法の精神を理解して全体像を概観する事です。また、言葉の定義をきちんと仕分けながら読み進めることも重要です。

◆また、3年次から4年次にかけては、建設業や現場監督の役割について規定されている法律である「建設業法」について勉強します。
◆建設業法とは「建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等を図ることによつて、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発達を促進し、もつて公共の福祉の増進に寄与すること」を目的とした法律であり(第一条)、その内容は「建設業の許可(第二章)」、「建設工事の請負契約(第三章)」、「施工技術の確保(第四章)」といったパートに分かれています。
◆ここからは、建設業法が建設業の許可制度と建築工事の請負契約の考え方、技術者の資格も含めた施工品質の確保について規定されていることが分かります(各条文を調べる前には、少なくともこの程度の事は頭に入れていないと、その法律が何を言わんとしているのか分からなくなってしまうので注意が必要です)。

◆実はこの法律は奥が深く、例えば先に述べた現場監督の技術者的側面に関しては、二十六条、二十六条の二、二十六条の三のあたりで「主任技術者・監理技術者」という制度によって規定されています。また、管理者・経営者側面に関しては第十九条の二に「現場代理人」という形で規定されています(建設工事を請け負った建設会社の社長は、自らの代理人である現場監督の権限及びその業務を発注者に明らかにしておかなければならない)。

◆要は現場監督とは、建設工事の技能的側面(=直接手を動かしてモノづくりを行う事)に直接タッチするのではなく、品質や工程、安全管理の側面からモノづくりを管理し、また、下請けへの労務の手配や代金の支払いも含めた経営管理的な職責も担うという事が、法令上でも規定されているということです。

◆条文全文を検索したい場合は、総務省の法令データベースも覗いてみてください。