●当校インテリア科では、ただ単にインテリアを教科書から学ぶだけでなく、理解を深めさらなる好奇心を触発するために、実際にインテリアショップやショールーム、デザイナーズホテルなどに出掛け、デザインの現場で実践的に学ぶことに力を注いでいます。

●2月2日(水)1年生の「インテリア実務」の授業では、アイデック東京ショールームに出掛け、実際に開発された家具製品を見せていただきながら「家具の商品開発業務」に関して学びました。

●今回の校外授業は、ショールームへ来場されているお客様にご迷惑をお掛けしない様に、ショールームがオープンする前の朝9時から11時の間に設定されました。

AIDECエントランス 1階ショールーム
▲(左)青山タワービル別館1階にある「アイデック東京ショールーム」エントランス部分。
▲(右)1階ショールームにおいての講義。株式会社アイデック大串取締役に講義をしていただきました。

トーネットの曲げ木椅子 ライトコート
▲(左)1階ショールームにおいて、「ミハイル・トーネットの曲げ木椅子」についてお話を伺いました。この椅子は、デザインされた当時から今までに2億脚ほど生産されている人気の商品になります。
▲(右)1階ライトコート。現在、学校の授業では住宅の設計も行っています。自分たちの計画に入れたライトコートのイメージと照らし合わせながら、この素敵な空間に学生たちは見入っていました。ライトコートの中央の机の上には、ドイツのワイマールに設立された美術と建築に関する総合的な教育を行った学校「バウハウス」の校長を務めた、建築家ヴァルター・グロピウスの写真のラベルが貼ってあるワインが置かれています。並べられているキャンチレバーのパイプ椅子は、バウハウスにおいて第一次世界大戦後、戦争時に大量に生産された鉄パイプ(余った物)を、生活の中に役立てようという考えでデザインされた椅子になります。

2階ショールームでの講義 2階ショールームでの講義
▲(左・右)2階ショールームでの講義。ショールーム内に置かれている椅子やソファに腰掛けながら講義を聴かせていただきました。

デザイナー間宮吉彦氏の「TRANS」 デザイナー間宮吉彦氏の「TRANS」
▲講義後2階のショールームの商品を見せていただきました。講義の中で出てきたデザイナー間宮吉彦氏の「TRANS」やウレタンモールの椅子の開発段階での苦労などを、手で感触を確認しながら見せていただきました。

椅子の布地 商品カタログ
▲(左)椅子の布地も様々なものが用意されています。
▲(右)「▲ ▲▲」は、アイデックの商標登録されているロゴ(アイデック・モダン)。「VIENNA」は、クラシックな家具のカタログになります。

●家具を販売しているショップには、実に様々な業態があります。例えば、自社でデザイン・製造・販売まで行うお店もあれば、輸入代理店のように自社でデザインや製造をすることなく販売だけ行うお店、また、自社工場を持たず、デザイン開発と販売だけ行うお店(この場合、製造は他社に委託されます)などなど、お店により取組み方は様々です。アイデックは、そうした多様な業態の中でも、オリジナルデザインにこだわり自社でデザイン開発を行う一方、自社工場を持たず製造は他社に委託し、出来上がった製品を自社で販売する方法をとっています。

●今回の校外授業では、そうした業務の中から、アイデックの特徴である「自社内での家具の商品開発」「委託生産(OEM生産)」の話を中心に、業務内容を詳細にお話いただきました。特に、企画・デザイン段階でのどのような事柄が検討され、変更を加えられ、最終的な製品になっていったのか、現在販売されている家具を題材に、具体的に話された時は、とても興味深く、思わず身を乗り出して聞き入ってしまいました。

●学生一人ひとりも、ただ単に家具を販売するだけだと思っていたお店が、苦労を重ねて新たな商品を開発している様子や、生産性・採算性を上げながら、同時に品質を保つために常に努力を重ねている企業の姿勢に、ものづくりがかっこいいとかデザインの良さだけではすまされない、様々な事柄の複合の上で行われていることを、リアルに理解してくれたことと思います。

●また講義の最後には、商品の安全性の確保(PL法の遵守)や環境問題(ホルムアルデヒド等、有害化学物質に対する知識)への取り組みなど今後の企業活動に問われている事柄に関しお話をうかがうことができました。その中でも、特に商品の企画開発の業務においては、「3R(Reduce/Reuse/Recycle)やロングライフデザイン」が主務となること、またそうした時代の新たな要請に対して真摯に取組まれている姿勢に、とても共感いたしました。

●最後に、このような貴重な機会を与えてくださったアイデック・大串取締役をはじめショールームのスタッフの皆様に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

2年生の授業では、自分のデザインした椅子を製作する授業があります。今回の講義の中で伺ったデザインすることの難しさなどをしっかりと心に留めながら、楽しみながら作品を造ってもらいたいと思います。