●当校インテリア科では、ただ単にインテリアを教科書から学ぶだけでなく、理解を深めさらなる好奇心を触発するために、実際にインテリアショップやショールーム、デザイナーズホテルなどに出掛け、デザインの現場で実践的に学ぶことに力を注いでいます。

●特に2年生の4〜6月にかけては、インテリアに用いるファブリックス(布)を中心とした素材の学習を、多くの企業での校外学習を交えながら実施してきました。また、これらの素材系の校外学習においては、単にショールームを見て、講義を受けるだけにとどまらず、ショールームを活用しながら自分のイメージを伝えるための課題にも取組んできました。

●学生ひとりひとりには、素材系の校外授業の共通課題として、「マンション・リフォームのための素材収集」の課題が出されていました。様々な企業での校外授業を経ながら、自分のイメージに合うサンプルを収集し、最終的にリフォームに用いる素材のコーディネートボードを作成してもらいました。

●今回は、一連の素材系の校外授業をとおして作成されたコーディネート作品の中から、数点を紹介します。


個性をつなぐ緑
▲白尾真央さんの作品
 白から茶にいたるベーシックな色使いの中に、アクセントカラーとしての淡い緑が散りばめられ、全体にとてもさわやかな印象を与えています。しかし、ウィンドウトリートメントなどを細かく見ていくと、カーテン、ロールスクリーン、プリーツスクリーンと各室全く異なる製品が用いられており、各室はかなり個性的に創られていることがわかります。各室が個性を持ちながら、緑色を共通して用いることで、全体としての統一したイメージにまとめあげている点を評価したいと思います。

 
ベーシックの中にも工夫有り
▲高杉浩司君の作品
 ベーシックな色使いの中にも、各室の個性を創り出すことに成功しています。
 リビング・ダイニングは、温かみのあるグレーを中心としながらも少しクールなイメージにまとまられています。一方、ベッドルームは、荒い織物調の壁紙を用いることでアジアンなテーストを醸し出しています。また、同じ織物調の壁紙を使いながらも、主寝室をダークに、子供室をライトに使い分けることで、大人の落ち着きと、子供達の明るさを巧みに創り分けている点、上手だと思います。


大柄の組合わせに挑戦
▲草野裕子さんの作品
 大きな柄もののファブリックスを複数組み合わせていこうとした大胆なコーディネートです。
 室全体を柄物で構成することは、欧米ではともかくも、日本のインテリアではあまり馴染みがありません。このコーディネートも、室がかなりうるさくなるように思われますが、作者は柄物のファブリックスの間に主従関係をつくることでこれを回避しようと考えています。リビングの壁紙はドレープに比べて弱く、また、マスターベッドルームでは、柄物のレースの背景に同色のドレープを置くことで、壁紙に比べて柄を弱くおさえてあります。このコーディネートが成功しているかどうか、このサンプルボードだけでは判断できませんが、作者が大胆な発想をまとめるために細かな配慮をしていることは充分に理解することができます。

    
●どの校外学習においても、サンプリングのために使える時間は、わずかなものに過ぎませんでしたが、限られた時間の中、学生ひとりひとりがよりよいコーディネートを目指し懸命に思考を繰り返してくれました。来年度は、イメージを練り上げるために、もう少し時間をかけていきたいと反省もしています。

●今回の一連の校外学習を通じて、教科書で学んだ基本的な事項から最新のトレンドまで、実際のものを見ながら具体的に学ぶことができました。また、実物のサンプルを用いながら、具体的にコーディネートを考えることができたことは、コーディネートの難しさを知る上でも大きな収穫だったと思います。

●今回、素材をより深く理解するために我々が実施した校外授業は下記のとおりです。

? 東リ東京ショールーム          【カーペット・敷物】      5月12日(月)
? リリカラー東京ショールーム       【テキスタイル・クロス】   6月 2日(月)
? サンゲツ東京ショールーム        【カーテン・ブラインド】    6月13日(金)
? タチカワブラインド銀座ショールーム   【カーテン・ブラインド】    6月20日(金)
? マナトレーディング・ショールーム    【テキスタイル・クロス】   6月26日(木)
? ウッドワン新宿ショールーム       【木質材料】          6月27日(金)
? マルホン新宿ショールーム        【木質材料】          6月27日(金)

●最後になりましたが、我々の校外授業を快く受け入れていただき、かつ、学生の課題に対して貴重なサンプルを提供いただきました上記企業の皆さんにあらためて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。