今年夏は暑かったですが、涼しくなり始めたらいきなり涼しくなり、エアコンフル活動からいきなり不要という状況になりました。
建築の室内の環境を快適に維持していこうと考えた時は、こうした室外の環境に大きな影響を受けることは勿論ですが、室内の使用状況も大きな影響を与えます。

例えば外部は涼しくても室内に多くの人が居たり、暖かな料理が沢山出たり、無風で(換気が無くて)空気が滞留していたりすると、ムシムシと暑い感じがします。
従って、学校においてもパソコン室などでは、秋でも冷房が欲しくなることがあります。

さて、またまた失敗談ですが、あるビルを改装して居酒屋にする仕事がありました。


あるビルとは、元々が貸事務所の為に作られているビルであることから、飲食店(法律上は店舗)への改修は思った以上に大変な仕事です。
床や梁の補強、防災用の設備や厨房用の設備、電気・空調設備の新設など建物の基本構造の改修から始まり、店舗用の内装を行う必要があります。
特に設備の改修では、給水・排水・換気・排煙・電気配線に伴い、床や壁などに想像以上の穴を開けなければなりません。従ってそれなりの工期が必要になります。

この工事では、ビルの地下2階から地上4階までの6フロア、約1500屬硫装を行いました。工期は45日。この規模の改装においては今までに経験したことが無いほどの短期間の工事になりました。
そもそも、建物の補強や設備工事が終わってから内装の工事に入るのが常識なのですが、この工期では、内装も同時進行する状態です。
竣工は12月24日、クリスマスイブ。開店は17時。当日の朝から役所や消防の検査を終了し、何とか開店に間に合わせることができました。ここまでの楽しい苦労話はまた別の機会にお話しましょう。

この工事、実は大きな問題点を抱えており、とりあえずの開店となっていました。
というのも、最後に工期的に2日ほどの遅れが出てしまい、エアコンのドレンパイプ(冷房時に出る排水を流すパイプ)を接続しないまま、天井工事を終わらせてしまったからです。
季節は冬真っ盛り。まさか冷房をかけることはあるまいと、たかをくくっていました。残りの工事は、急造工事であることを理由に、2〜3月の間、1週間の「ダメ直し」期間を頂戴していたので、迷惑をかけずに、順調にいくはずでした。

さて、問題の事件は2月の初めに起こりました。冬の飲食店の定番メニューといえば「鍋物」ですよね。
その日は鍋の注文が殺到し、ほとんどのお客さんが鍋物を美味しそうにつついていました。すると突然天井から大量の水滴がいたるところで落ち始めたのです。
理由は簡単で、室内の温度(湿度)が上がり暑くなってきたため、店長さんが空調機を、冷房運転に切り替えた事でした。
まさかの出来事が起こってしまった訳で、お店は翌日から3日間休業となりました。

人間というのは、時として、全く予期せぬ行動を取るものですね。勿論、工事を終わらせなかったこちらの責任は重いのですが・・・・。