「結露(けつろ)」とは?
夏場においしいものといえば仕事が終わってからの、キンキンに冷えた生ビール(未成年の方・・すみません)ですが、ビールグラスの周りに「霜」が着いていないと、ぬるそうであまり美味しそうに見えないのは私だけでしょうか。
あのビールグラスに着いた「霜」こそが「結露」です。
空気は、温度が高いほど多くの水分子・・つまり水蒸気・・を多く含む事が出来ます。夏になって気温が上がると、空気が多くの水蒸気を含んでいます。もし、そこに冷たいものがあると、その物の周りの空気が冷やされて、空気が、「これ以上水蒸気を含んでいられないよ〜」といって出てくるのが、「霜」の正体です。
つまり、「霜がいっぱい着いているグラス」=「良く冷えている」=「冷たくて美味しそう」という三段論法が成り立つわけです。



しかし、建築にとってこの結露は非常に怖いものです。押入れの中に入れていた布団にカビがついたり、部屋の壁紙にシミを作ったり、こんな現象は、ほとんどが「結露」によるものだと考えて間違いがありません。

私も以前、かなり恐ろしい経験をいくつもしていますので、そのひとつを紹介します。


鉄骨構造の3階建てワンルームマンションの設計をしたときです。
ワンルーム=学生、という位で、最上階の1室に浪人生が住んでいました。
季節は冬。入学試験を間際に控え、空気が乾燥して風邪でもひいたらまた1年をボウに振ってしまうと考えたのだと思いますが、キッチンの電気コンロに薬缶を乗せ、弱火ではありますが、昼夜を問わずに沸かし続けていたようです。真面目で勉強家の浪人生だったのですね。

ある夜、ベッドの上の天井板が落下するという事故がありました。

マンションなどの工事では、天井は、照明器具やエアコンなどの機器を取り付ける関係で、コンクリートの床板とは別に、その内側に天井板を金属の金物を使って吊るす様な格好でとりつけるのです。
だから、天井の裏側には15cm〜50cm位の空洞部分があります。

天井の構造

今回落下したのは、この内張り部分です。
材料は、石膏を紙でサンドイッチにした物で、「石膏(プラスター)ボード」と呼ばれています。
材料が石膏ですから、結構な重量がありますが、これが水分を含むと、紙と石膏ですから、フニャフニャになったうえに、重量も倍以上になります。
つまり、このボードが何かの原因で水分を含んだ事がわかります。
その原因が、実は結露だったのです。

天井裏のコンクリートの板から天井が吊り下げられているのですが、そのコンクリートの室内側の温度と、室外側の温度差が大きくなり、コンクリートの板の室内側に結露が発生し、その水が天井板に落下し、重たくて柔らかくなった天井板が落下したという事でした。
先のビールに例えると、室外側が「キンキンに冷えたビール」、器が「コンクリート」、に当たると考えるとわかりやすいですね。

この現場では、コンクリートの屋根側(外側)に断熱材の工事をしていましたが、それが不十分・・・というか、一日お湯を沸かしているという状況が想定外でした・・で、部屋のコンクリート版の下側にも、5cmの断熱材を貼り付け解決しました。

結露によって発生する水は、「ここまですごいの?」と思う程に発生することが時としてあります。また次の機会に。