「100円のお買い上げ」が、いざ清算するとなると105円になる不思議な感覚は平成生まれの諸君には無いだろうと思います。
消費税は平成元年4月から始まりました。当時は3%ですから、100円のお買い上げは103円。当時話題になったのは、一円玉が必ず足りなくなる・・・という事。
まあ、たかが3円と思ってはいたものの、やはりポケットの小銭が増えて重たくなったと感じました。そんな消費税、平成9年には5%になりました。

話はいきなり横道から始まってしまいましたが、5%の消費税を高いと見るか安いと見るか。皆さんはどちらですか?
・100円なら5円。「我が懐(ふところ)に痛みなし」

・10000円なら500円。「おいおい、今日のランチは吉野家の牛丼かな〜」

庶民的な買い物をしている間は、「我輩は納税者なり、頭が高〜い」と鷹揚(おうよう)に構えていられますが、消費税の恐怖はこのあたりから始まります。


住宅一軒 3000万円なら、消費税は・・・150万円・・・計算間違いではありません。「冗談きついよ」と思いませんか。


建築の仕事をしていると、どこかで消費税の異常さにふと気がつきます。
金額が大きくなっても消費税の税率が低くなるわけではありませんから、10億の建物は5000万円の税金がかかります。
     

ここまでくると、「お国は私の為に何をしてくれるの?」と聞いてみたくなります。
とはいえ、10億の建物を建てられる人だから払えるのかもしれません。

立場が替わって、庶民的な収入を得ている「建築家」の皆さんの収入を考えてみましょう。
建築の設計料は「料率」と言って、建物の建築費の総額に対して何パーセントと決めて建主さんから頂戴します。これは一般的に建物の金額が大きくなるほど低くなってきます。

例えば2000万円程度の住宅なら10%程度。2億円ほどの建物なら7%・・・・20億円規模となれば5%取るのもなかなか難しいのが現実です。
設計料は、紙と鉛筆代金と思っている建主さんを口説き落として、なんとか頂戴する訳ですが、実はかなりの経費が発生します。
・営業経費(仕事になるまでにかかる費用ですね)
・外注費(1人では全ての仕事が出来ませんから色々な人に仕事をお願いします)
・事務所維持費(電話代、水道代、電気代、家賃、人件費)
などなど、多くの経費とエネルギーをかけて実は設計を行っています。

消費税の話からいきなり設計料の話になりましたが、要は、20億円の建物の設計料と消費税が共に1億円だと言うことです。

消費税は建主さんが払わなければ、差し押さえでも何でもして取り立ててきます。かといって、建物の建設には何も協力してくれません。
一方設計料は、多くの労力が必要となるだけでなく、場合によっては徴収不能になることも考えられます。

設計事務所では締切に追われた所員たちが時には夜遅くまで働いています。閉店間際のスタバからコーヒーとサンドイッチの出前を頼み、休憩している時が一日の至福の時間となります。
しかし、出前のお兄さんに代金を支払う時に、「はた!」と感じることがあります。「これにまで消費税がかかるの?

消費税は「たかが・・・」でしょうか。「されど・・・」でしょうか。どう思いますか?

数年後、日本の消費税は10%を超えるのではと言われていますが、設計料も「値上げ」という風になっているでしょうか。
納税は国民の義務です。皆さん将来の日本の為に正しい納税をしましょう。今日のお話は、真面目な納税者の独り言です。

この話をもっと詳しく知りたい方は「建築経済1」という授業を聞きにきてください。裏話はその時に。