マラソンはその過酷な条件から陸上の花である。今回の世界陸上も日本選手の活躍が目立ち、昨夜は女子マラソンに見入っていた。ゴールが陸上競技場でなくブランデンブルグ門であるのにおどろいた。
 ブランデンブルグ門は、建築史の授業ではネオ・ゴシック、ネオ・クラッシック・ネオ・バロック、ピクチャレスクという一連のながれ扱う題材の1つだ。

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いつもゴールシーンは400mトラックのなかで、現代人とってはすんなりとしたゴールなのだが、日常的に使われている都市の中の空間がゴールとなると、F1グランプリのモナコ編のような感じだろうか。また、建築を学ぶ者にとっても歴史的な建造物が42.195kmの終着点になるのは嬉しいことだ。
ブランデンブルグ門の様式は古代ギリシャのもので、ヨーロッパでは古典に対する憧れの最高潮に達する。

 そもそも、「ブランデンブルグ門」の森鴎外の「舞姫」に出てくる。主人公と舞姫エリスがはじめて出会うシーンにつかわれているのが印象的だ。
 ブランデンブルク門とは、ベルリン市街に入るための門で、ベルリン市街と外側を分ける門だった。中世都市とは、現在観光で訪れる都市の風景とは違い、城壁で都市を囲っていた。ブランデンブルグ門は街に入るための18の門の1つである。ちなみにその前の広場はパリ広場なのである。
 とにかくベルリンを代表する門で、1792年に完成した。テレビでもご覧の通り巨大な大きさで、高さ26mで幅65.5mもある。浅草の雷門とは桁違いの大きさだ。
様式的には、ネオクラシズムで、パリの凱旋門と同じ系列になる。1748年、18世紀は考古学の時代ともいわれ、ポンペイ遺跡などの遺跡発掘調査が盛んに行われている。このことによって古代ローマやギリシャへの憧れ、権威の位置づけが明確になり、過去の時代の様式を建築に用いるようになった。

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エトワール門=凱旋門は古代ローマをモチーフとしています。雷門は、日本の寺町を象徴する門。「門」の意味は、外と内を分ける結界としての役割があります。

 ちなみに、ブランデンブルグ門は、古代ギリシャの門や屋根の形状をデフォルメした作品である。そして、門の上にある4頭立ての馬車に乗っているのは勝利の女神ビクトリアだ。