「天使と悪魔」ダン・ブラウン作 越前敏弥訳 角川書店は、「ダビンチコード」に続く面白い本だ。ヨーロッパ文化の裏側をえぐる作品で、歴史の重層性に立脚しながら現代文化を批判する感覚が新鮮だ。先日、授業のバロックの回でベルニーニの話をしましたが、この本を読んだ人には別の意味で面白かったかも知れません。そもそも、文化の中身を知ろうとすると多くの本を読みあさるのですが、実際どれが「真実」で「誤り」、「嘘」なのかはわからないことが多い。実は、私は以前にポーランドの建築紹介の本を書いたときに、ヤスナ・グーラ教会を調べた。そこには、「マグダラのマリア」という言葉を読みました。その時は「はぁーん、そんな説もあるんだ」ぐらいの感じで「字数が足らないのでこの話はボツ」になった。が、後日、ダ・ヴィンチ・コードが出版されて、「なるほどね」と、ほくそ笑んだ。

1 2

歴史とは知れば知るほど面白い。どこに真実が隠されているか。名探偵なみの想像力と直感を働かせると真実の建築史が見えてくるかも。

そもそも、ルネッサンスがブラマンテのサンタ・マリア・デルフィオーレ教会(通称:フィレンツェ大聖堂)にはじまり、ミケランジェロ、ベルニーニがサンピエトロ大聖堂をつくったのだからかなり楽しそうな秘密が隠されていても不思議ではない。
 「フリーメーソン」などという秘密結社もあるのだそうだが、これは、明確に建築家+建設会社の集団が原点で、建築現場の工事小屋でなにやら集まり図面を引いて(恐らく図面は記号化されその集団しかわからない図で表されていたに違いない)怪しげに現場の打ち合わせをしていたので秘密結社といわれたらしい。実際、中世の石工集団は西欧の枠を超えて東欧の奥地まではいり込んで仕事をしており、当時は国際的な感覚をもった超エリート集団だった。(今の建設会社とあまり変わらない)

4 5

丹下健三先生は、実はミケランジェロを意識していたのではなかい?建築を創ることは、歴史との対話からはじまり、歴史に肉迫することかもしれません。東京都庁は私にとっては不思議な建築です。


私は、巨大な建築を見れば見るほど、美しい建築を見れば見るほど不思議なのだが、「名建築の裏には秘密のかたまり」があるんじゃないか、と思う。